●英名:Anise
●和名:Pimpinella anisum(ピンピネラ・アニスム)
●科名:セリ科 一年草
●原産地:アナトリア、エジプト
●主な産地:インド、パキスタン、スペイン、イタリア、フランス、トルコ、エジプト、イスラエル、アメリカなど
アニスは最も古いスパイスのひとつで、古代エジプト時代から利用されてきた。楕円形の種子をすりつぶして粉末にして使う。リコリス(=甘草・かんぞう)によく似た少し甘めの味と香りがある。香りの主成分はアネトールという成分。
原産地は小インド(現在のアナトリア)やエジプトだが、中性にはヨーロッパへ、14世紀にはイギリスへと広まり、現在では世界の各国で栽培されている。古くからケーキ、クッキー、ビスケット、食前酒、リキュールの香りづけに利用されたり、薬としての効果にも注目されてきた。
使うのは種子だけではなく、果実を蒸留して精油を作ったり、葉をサラダで食べることもある。
アニスの香味は空気にふれると変わりやすく、すりつぶすと直後から風味を失い始める。種子のまま保存しておき、使う分だけをすりつぶす方が良い。
アニスの精油には甘い香りの成分アネトールが80〜90%も含まれており、キャンディーなどのお菓子にもよく使われる。スターアニス(八角)も同じアネトールを含んでいるが、こちらはシキミ科であり、比較的安価なためアニスの代用品として用いられることもある。
クッキーなどの焼き菓子に甘い香りをつけたいときに使う。種子をすりつぶして使うのが一般的だが、切り刻んだりそのまま使っても良い。
甘い香りの主成分アネトールはアルコールに溶けやすい性質があり、種から採れる精油は、特に地中海沿岸地方で、リキュール類の味付けと香り付けに高い需要がある。家庭でもリキュールにアニスを漬け込んで、手軽にアニスの芳香を楽しむことができる。
アニスは古くから消化剤としても珍重されてきた。ローマ時代には肉料理の後はアニス入りのケーキがよく出されれていた。また口臭を消す矯臭(きょうしゅう)剤としても使われていた。
現在ではこのほかにたんを切る去痰(きょたん)剤として咳止めの錠剤に使われたり、その甘みを生かして子供用の医薬品に配合されたり、苦い薬のコーティングに使われたりと、幅広く利用されている。
アニスの甘い香りはポプリの材料としても使われる。イギリスなどでは狩猟犬の訓練用の香料としても使う。またインドでは抽出液をコロンに使うなど、国によってさまざま利用方法がある。
アニスを栽培する土地としては、肥沃(ひよく)で水はけの良い土壌が最適である。日当たりが良く、しかも適当な雨量が必要である。
種まきは3〜4月ごろに行う。移植を嫌うので直まきすること。成長し、種子を収穫できるようになるまでは約4ヵ月かかる。種子が色づいてきたら穂ごと抜き取り、束ねて風通しの良いところで陰干しをする。乾いたら脱穀し、薄日の下か適温の室内でさらに乾燥させる。